目の応急手当

基本的な注意

日常生活の中では、目に怪我をすることはしばしば経験する。
ごみが入ったり、とがったものが突き刺さったり、激しく打ったりなどの場合があるが、応急手当が適切にされないと、眼球に不必要な傷をつけることになる。
目の怪我の応急手当の基本的な心得は、どんな場合であっても、目を強くこすったり汚れたハンカチなどで目を拭いてはいけないということである。

異物が入った時は

※ごみが入った場合
ごく小さなごみでも目に入るとゴロゴロして痛み、角膜の表面に傷ができると、眩しくて非常に辛いものである。
このごみを取るには、次のような方法を試みるとよい。

涙を流す 目を閉じて上瞼の外側を指先で軽くマッサージすると、涙が2〜3滴流れ出る。殆どはこの涙と一緒に流れ出る。
顔を水につける きれいな洗面器に水を入れ、目をぱちぱちとまばたきして洗ってみる。また瞼を静かにかえしてごみが見える場合は、清潔な脱脂綿などを水でぬらして、そっと拭いてみる。
注 意 どんな場合でも目を強くこする事は厳禁である。
目を強くこすることによって、ごみが黒目の上をころがって、表面に傷をつくることになりかねない。

※細かい鉄粉が刺さった場合
細かい鉄粉が黒目(角膜)に刺さった場合、いじらないで眼科医の治療を受ける。

※薬品が入った場合
化粧水、洗剤の原液、強い酸やアルカリ性の薬品などが目に入ると、酷くしみたり、激しい痛みを感じる。

化粧水や薄い薬品の場合 入った直後に、きれいな水に顔をつけて目をぱちぱちする。それで異常な感じが取れればそのままにしておいても心配は無い。
洗剤の原液 洗剤の原液が1滴でも目に入ると、眼球組織に強い障害を起こす。痛みが激しいので、医師のところへ行く事を考えがちであるが、それよりも一刻も早く目を洗う事が大切である。
この最初の数分間がとても重要であり、処置をしないですぐ医師のところへ行っても、それまでの時間が無駄になり、その間に薬品の作用が広く深くなる恐れがある。
強い酸・アルカリ 洗剤の原液の時と全く同じである。目を水で十分洗い、それから眼科専門の医師に診てもらう。

鈍力による目の外傷


この種の外傷はを強く打ったとか、ボールがに当たった際に生じる。また、傷の程度もごく軽症のものから、失明に至る重症のものまである。

眼瞼の皮下溢血 このもの自体は放置しておいても差し支えはないが、1眼を打撲したのに他眼にも皮下溢血が認められたり、鼻出血や耳出血などを伴う場合は、頭蓋底骨折の疑いがあるので、できるだけ早く専門医の診療を受ける必要がある。

眼瞼及び結膜の創傷 救急処置として局所を清潔にし、一刻も早く専門医に縫合してもらう。

球結膜下出血 白の所に出血しているだけであるなら、あまり処置の必要はなく、放置しておくか、温罨法(おんあんほう)を施せば、1〜2週間のうちに多くは消失する。

前房出血 黒の中に、出血を起こした状態をいい、この種の外傷は、実に様々な経過をたどる。2〜3日で出血が消失して視力に影響のないこともあり、経過中に再出血して緑内障(青こそひ)を起こし失明することもある。また、出血が全然消失しないでそのままになることもある。
安静にし、局所を冷やし、そのまま専門医にできるだけ早く診てもらう事が必要で、入院を必要とする。

硝子体出血 これは眼球内に出血を起こした状態で、前房出血と同様に安静を必要とする。入院加療が必要である。

網膜振盪症(もうまくしんとうしょう) これは鈍力が作用する結果、網膜に混濁を生じ、視力が低下する。しかし1〜2週間のうちに混濁は消失し、視力を回復するのが普通である。ただし、出血及び網膜剥離(網膜がはがれる)を予防する意味でも、安静や止血剤の投与が必要である。

網膜剥離、黄斑部裂孔 眼球の内壁で、光を感ずる網膜の中でいちばん視力に関係が深い所を黄斑部といい、そこに鈍力が加わり、穴が開いた状態になると視力は0.1以下に低下し、適切な治療法は無い。また外傷を経過して数ヶ月後に網膜剥離を起こす場合もある。このときは手術が必要となる。

目の異物外傷

異物外傷は異物が入った部位により、@ 結膜異物 A 角膜異物 B 眼内異物 に分ける事ができる。

結膜異物 道を歩いていたり、車窓から外を見ていたりしてゴミが入る事はよくある。自覚的に目がゴロゴロするといった異物感があり、下まぶたをひいたり、上まぶたを裏返したりすると、ほとんどのゴミは発見できる。
治療法は、眼球に傷をつける恐れがあるので決して目をこすらないことである。きれいな水で洗眼すればたいていの異物は取り除くことができる。それでも取れないときは結膜を反転し、異物をハンカチの先などで拭き取る。念のために抗生物質の点眼でもしておけば充分である。

角膜異物 これも結膜異物と同様にして生じる事が多いが、結膜異物よりは強い自覚症状がある。これも、決してこすってはならない。異物が角膜に刺さっている場合は、医師に除去してもらわなければならない。異物が鉄の場合、ほうっておくと錆が出るので異物の除去は急ぐ必要がある。感染防止のため、減菌処置のうえ、異物を除去し、抗生物質軟膏を点入して、角膜の上皮がすっかり治るまで1〜2日眼帯をかける必要がある。飲酒、入浴も控えて安静にする。鉄や銅などの反応を起こす物質の場合、早く専門医にゆだねるのが安全である。

眼内異物 一種の穿孔性外傷である。この疾患の見通しは外傷の程度によってさまざまである。異物の侵入口が大きければ容易にわかるが、傷口が小さく自覚症状もあまりない場合は、注意を要する。処置としては、異物の種類によって多少異なるが、外傷一般に行なう感染予防、出血防止はもちろん行なわなければならない。ガラス片など、あとで反応を生じない物質なら、無理に除去する必要はない。しかし鉄、銅、鉛などは、除去しないでいると、鉄銹症(てっしゅうしょう)銅銹症などを起こして、後日、サビが眼球全体を覆い、失明する事になる。
異物が入ってから数日が経ち、サビなどが生じるとX線にも写りにくく、摘出もしにくくなるので、異物が目に入ったときはできるだけ早く専門医に診てもらい、異物を除去してもらう必要がある。
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